コロンビア ~エメラルドの緑を創る、人と人との繋がり~

レポーター:ボゴタ駐在員 伊藤

この国のパーティーは、サルサ・バジェナート・クンビア等のラテン音楽が流れ続け、ダンスと地酒アグアルディエンテのショットグラスの一気飲みを交互に繰り返し、何時間経っても終わる気配を見せません。農薬を普及する上で、取引先、農家を集めてのセミナーを頻繁に開催しますが、セミナー後の懇親会の光景はどの地域でも同じです。

セミナーの様子

コロンビアは旧宗主国であるスペイン、原住民、アフリカの文化が混合されているのが特徴です。前述のアグアルディエンテは「燃える水」という意味を持ち、サトウキビを原料とした蒸留酒で、独特の匂いがします。コロンビアを訪問した人は間違いなくアグアルディエンテの洗礼を受けて、独特の文化を味わうことでしょう。また伝統音楽はアンデスやアフリカのルーツを持っており、非常に多様で、世界的に人気のあるシャキーラやフアネスの歌からもコロンビアのリズムを感じることができます。
お酒と音楽の話から寄稿を始めたのは、コロンビアを語るのに切っても切り離せないからです。お酒と音楽で皆の心が解き放たれ、人と人の繋がりが生まれます。コロンビアの人たちはその価値観を大切にしていますので、私たちの取り扱っている商品・サービスをより良く知って頂く為には、踊りとお酒を通じたお客様との交流が欠かせません。

バラ農家

コロンビア住友商事は1996年から農薬や肥料の販売を開始し、現在約30名のスタッフが農業資材の販売に従事しています。私たちは「Juntos lo Hacemos Mejor(一緒にチャレンジしましょう!)」のスローガンを掲げ、クラブ・カイゼンと名付けたコミュニティーを設立し、農業発展のビジョンを強く共有している取引先・農家とより密に日々のコミュニケーション深めています。このような地元に根を張った活動が拡大し、少しでもコロンビアの農業発展に貢献できるよう日々励んでいます。
コロンビア産コーヒーは有名ですが、コロンビアが世界第2位の切り花輸出国であることはご存知でしょうか。日本市場向けカーネーションにおいては第一位の輸出国です。生ものである切り花は空港で厳しい輸入検疫がある為、高品質な日本製の殺虫剤、殺菌剤は花農家に広く受け入れられています。私たちは農業資材の普及活動に留まらず、日本市場に参入意欲の高い農家向けに日本切り花市場についてのセミナーを行うなど、バリューチェーン(価値連鎖)構築にも努めています。

セミナーの様子

また、コロンビアの主食が米であることもあまり知られていません。私たちは日本の食文化を代表する水稲の栽培技術普及活動にも力を入れています。二年前に田植え機とコンバインを輸入し、伝統的な手作業での栽培から機械化栽培技術の開発に取り組んでいます。日本とコロンビアでは気候や灌漑設備が違いますので、此方の条件にあった代かきや苗箱つくりに試行錯誤する毎日です。

最後に現地ならではの情報を発信します。ボゴタは住む地域が6つの階級(エストラート)に分かれていて、一部の富裕層が水道・光熱費を他の地域に住んでいる人より多く負担しています。また、同じ商品・同じスーパーでも住む地域によって物価が違います。ある意味優しい社会と言えるかもしれません。人は穏やかで、スーパーでは大きなカートに沢山の食料を入れて買い物をします。レジはゆっくりで、長い行列ができても急がす人はなく、皆気長に待っています。ただ、レジを待っている時にこれから購入するものを食べている人をちらほら見ます。どうやら空の袋をレジに見せるようです・・・。
我々日本人には信じがたい光景ですが、この国は色々な意味で許容範囲の広い社会と言えそうです。