ドイツ 〜無駄のない国?!〜

レポーター:Sumi Agro Europe社元駐在員 田中(駐在期間:2007年1月~2012年3月)

皆さんはドイツと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?ビール、ソーセージ、サッカー(ブンデスリーガ)それとも有名メーカー自動車など。そのような漠然としたイメージを抱き2010年にドイツに赴任しましたが、駐在して感じたのは、あらゆる「物」・「事」がとても効率的・合理的であるということでした。
ドイツの都市では空港や建物が整然と建ち並び、とても機能的で便利であることに感心します。一方、地方に行けば国内旅行の定番「ロマンチック街道」で城壁に囲まれた街並みで中世の趣に浸り、「メルヘン街道」ではグリム童話に描かれるメルヘンの世界に心を癒されますが、どの町でも夫々個性的な雰囲気と同時に活気を感じます。これは、ドイツが自由都市や小さな領邦国家の集まりだった中世からの歴史を引き継いで個性的な地方文化をもたらした国(連邦共和国)であると共に、東京、ロンドンやパリのような一極集中の大都市をもたず、地方分権が『効率的』に定着していることの証のように思います。
それ故にドイツの百万都市は、ベルリン(3.4百万人)、ハンブルグ(1.8百万人)、ミュンヘン(1.3百万人)、ケルン(1.0百万人)程度しかなく、数多くの日系企業の欧州拠点が置かれる私が駐在するデュッセルドルフでも58万人でドイツ第8位という状況です。

「ロマンチック街道」の終点ノイシュヴァンシュタイン城 / 眠れる森の美女の城(ディズニーランド)モデル

ご存知の通り、ドイツは世界有数の先進工業国であるとともに貿易大国(貿易輸出額は中国に抜かれたものの、人口に対する貿易輸出額はダントツ世界一)で、自動車をはじめ、機械、電子工学、化学、環境技術、精密機械、光学、医療技術、バイオ・遺伝子工学、ナノテクノロジー、航空・宇宙産業、物流など世界に名だたる企業を有しています。環境先進国として環境関連産業で世界をリードするドイツですが、政府と民間が環境保護と経済発展の両立と同時に、雇用創出やエネルギー安全保障を追及しているところが、いかにも合理的であり、国の強さだと認識させられます。
一方、駐在生活では、日曜日・祝日に店が閉まっているという不便さもあります。100年以上も前から続く閉店法により小売店(空港や駅構内の売店、ガソリンスタンド併設のショップを除く)は平日夜間や日曜・祝日は営業できないといった規則が定められているためです。最近は州によっては緩和や撤廃するような政府も出て来て変わりつつあるようですが、コンビニがあらゆる所でいつでも営業している日本とは対照的です。しかしそれに慣れてしまえば、なんと効率的で合理的なことでしょう。日曜・祝日はのんびり公園で散歩や森林でハイキング、サイクリング等々。
ドイツ人が暮らし上手と語られる所以で、これが“活力”の源だと感心する日々です。

ブレーメンのベトヒャー通り

クリスマスパーティーにて

さて、私が所属するスミアグロヨーロッパ(Sumi Agro Europe)グループ(本社:ロンドン)は、住友商事グループのヨーロッパにおける農業資材販売会社です。現在、フランス、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ウクライナ、ロシアに販売子会社8社、スペインに販売JV会社1社を有しており、そこを通じて農薬を中心に種子・肥料等の農業関連資材を普及・販売しています。
私が駐在するドイツではドイツ支店(2009年4月設立)を配置し、グループマネージメントに加え、投資開発、商品開発、トレードをロンドン本社と共に統括しています。ドイツはフランスに次ぐ欧州第二位の農薬市場であり、農業・農薬業界をリードする国です。より基準の厳しい制度・規制や大手マルチナショナルのお膝元というハードルはありますが、ドイツを中心とした西欧地域での事業基盤強化を目指し、投資開発、商品開発等を進めています。
スミアグロヨーロッパグループのビジョンである食への貢献及び食の安全を、欧州から世界に効率的にお届けするべく、グループ員全員で日々“活き活き”と業務にあたっています。