フランス ~焼きたてのバゲットに魅せられて~

レポーター:パリ研修生 田中

古くから華やかな芸術・文化の世界的中心地であり、現在では世界で一番観光客を集める街、パリ。
実際に訪れたことがなくても、エッフェル塔、モンマルトルの丘、セーヌ川など、すぐに目に浮かぶのではないでしょうか。

パリ祭でのエッフェル塔

フランスは多くの国に囲まれている為、ドイツ寄りのアルザス地方、ケルト文化を受け継ぐブルターニュ地方、スペインの面影を色濃く残すバスク地方など、各地域の多彩な文化により形成されていますが、パリは特に様々な文化が融合する魅力的な街です。

オフィスからの眺め

魅力の一つは、その素晴らしい歴史的建造物とモニュメントの数々。街全体がひとつの美術館のようです。私が派遣されているSumi Agro Franceのオフィスは凱旋門から徒歩15分の場所にありますが、窓の外にはクラシカルな建物とブーローニュの森の美しい風景が広がっています。
数百年前からの遺産が未だに街を彩り、かつ実際に住居として使うことが出来るというのは、羨ましい限りです。ただし年季の入っている分、水漏れや設備の故障など、日常茶飯事なのですが・・・。現にオフィスのエレベーターの1基は半年間動かないままです。

サンジェルマン通りのビストロ

そして、次に食文化。ミシュランなどに掲載される星付きレストランは言うに及ばず、下町の小さなビストロなどでもびっくりするくらい美味しい所がたくさんあります。また、Boulangerie(パン屋)は100メートル置きにあるのでは?というほど多くありますが、やはり主食のバゲットにはどこも力を入れています。パリ市では年に一度バゲット・コンクールが開催され、その年の優勝バゲットは大統領の住むエリゼ宮に毎日届けられることになります。
移民が多いという背景もあり、実に多様な食を楽しむことが出来ます。
その中でも日本食ブームは近年ますます盛んになり、最近はどこでも和食レストランを見かけます(半数以上は中国人経営と言われていますが)。
今ではお寿司などは宅配やスーパーマーケットでも購入でき、“MAKI(巻き)”や“SAKE(酒)”などの言葉も定着しています。

社内クリスマスパーティー

さて、このような美しい街に住み、食文化を満喫するパリジャン・パリジェンヌとはどういう人達なのでしょう。日本のファッション雑誌で紹介されるようなお洒落な人達ばかり?…残念ながらそのような事はありません。皆人目を気にせず思い思いに個性的なファッションを楽しんでいます。ゆえに70歳過ぎのマダムでもミニ丈のスリップドレスを着たり、還暦を過ぎたムッシューがキックボードで街を疾走したりもします。
そして、老若男女を問わず、とにかくよく喋り、よく主張します。おそらく幼少時からディベート重視の教育を受けている為でしょうが、太刀打ちするのは非常に困難です。こちらでは『聞き上手』は評価されません。声のトーンは低くハスキーな方が好まれるそうで、それはフランス語が世界で一番魅力的な言語で(!)、低い声で語らなければ魅力が半減するからなのだとか。
議論好きなフランス人ではありますが、元来ラテン系のお国柄ゆえ、明るく人懐こい人たちが多く、特に異文化に対する寛容さ・旺盛な好奇心には目を見張るものがあります。和食に続き最近では日本のポップカルチャーも注目を集めており、パリで毎年開催される一大イベント『Japan Expo』の今年の来場者数は18万人にも及んだそうです。パリのメトロでも日本の“MANGA”を読む人たちをよく見かけます。

プロモーション用スタンド

最後にSumi Agro Franceのビジネスについて。やはりここフランスでもバイオ製品が広く普及しつつあり、環境に優しいフェロモン剤※がトレンドです。フランスといえば高級ワインですが、最近では、普及に大成功したリンゴ用フェロモン剤のみならず、高級ワインに使用されるブドウ用の開発を目指して鋭意奮闘中です。その中で、私は主に東欧・CIS圏のSumi Agro各社向け農薬販売業務を担当しています。EUの条例規制は年々厳しくなりつつあり、時に困難もありますが、ヨーロッパ中の同僚達と日々やり取りができるのは刺激的でとてもやりがいがあります。
魅力溢れるここフランスで、その成熟した食文化に貢献するビジネスに関わることが出来る幸せを日々実感しています。

※ フェロモン剤:昆虫の性フェロモンを用いて対象害虫のオス・メスの交信をかく乱して交尾を阻害し、次世代の発生を抑制する環境への負荷の低いテクノロジー。広範囲に使用することで、より高い効果が期待される。