メキシコ ~千の顔を持つ国~

レポーター:メキシコシティ駐在員 竹内

思わず言葉を失い立ち尽くす光景・・・・・・・。
2月、メキシコ合衆国ミチョアカン州のとある森の中。
遥かカナダ・アメリカ国境地帯とここメキシコの間5000kmもの距離を世代交代を繰り返しながら渡るという驚くべき蝶、通称モナルカ蝶(Monarca:スペイン語で皇帝の意)の越冬する森だ。
オレンジ色の無数の蝶が木の枝にぶら下がり「蝶の枝」と化した大木、鬱蒼とした森から視線を上に移すとわずかに見える空には蝶が乱舞し、地面には一面に散らばる命を終えた蝶の羽。
その空間を蝶が羽ばたく乾いた音だけが静かに響く・・・・・・はじめて見る光景、はじめて聞く音。

いつも、どこでも驚きと発見を与えてくれるメキシコ。圧倒的な迫力テオティワカンのピラミッド。征服者スペイン人が建てたプエブラの大伽藍、教会。世界有数の近代ビーチリゾート地カンクン。伝統あるアカプルコも捨て難い。鯨を見るならロスカボス。「ホテルカルフォルニア」ってメキシコだったのか。グランドキャニオンよりも大きいな大渓谷を走るチワワ鉄道。本場で飲むまろやかなテキーラ。茎ワカメみたいな味で体に良さそうなサボテン。思わず、おっ、と唸る屋台タコスの絶妙な味。エレベーターに乗るときは「お先にどうぞ」と何度も譲り合う優しさ。でも車を車線変更しようとしても絶対入れてくれないのは何故だ?UFOの目撃件数は世界一。一体何しにくるのだ?オリンピック金メダルはテコンドー。交差点でいつも火を噴くおじさんは物乞いか?
一方、世界一のお金持ちはメキシコ人カルロス・スリム氏。麻薬団の抗争による年間の死者約6000人。
メキシコの特徴は多様な顔。
私達はこの国で4年前に農薬販売事業をスタート。

農業現場でもまだ今でも発見の連続だ。
日本の5倍の国土と多様な地形と気候を持つメキシコでは生産現場も多種多様。行く先々で巡り合うメキシコ農業のたくさんの顔。北西部のシナロア州はNAFTA発効後伸長著しい輸出野菜を栽培する大型施設園芸地帯。最新鋭の技術を用いた広大なメッシュハウスに度肝を抜かれる。この州の自動車ナンバープレートはトマトマークだ。
標高が3000m近い山間の小さな傾斜畑で馬鈴薯を栽培する小さな家族単位の生産者も健在。車が通れない道をロバと野良犬に先導されながら歩いて現場に向かう。高原の猛烈な朝靄が印象的。

年柄年中、国のどこかで何かを栽培している。だから病害も多種多様。社員は高度な知識が要求され、同時にあちこち飛び回る強靭なフットワークも兼ね備える必要が有る。(同時にお客さんとアミーゴになる手段、テキーラ乾杯に耐える強靭な肝臓も有ればなお良し。)
我々がメキシコ農薬業界の顔になれる日も近いと信じて。
皆さん、ここでお会いしましょう。