ウクライナ ~「うっ、暗いな?」なんてことはありません!~

レポーター:東欧・CIS広域駐在員 安藤

住友商事グループのヨーロッパにおける農業資材販売会社は、1992年ハンガリーでのSummit Agro Hungary(現Sumi Agro Hungary)設立を皮切りに現在9社が事業を行っていて中東部ヨーロッパを中心に農薬や種子を現地で販売しています。今から12年前にはその内の一社として、東部ヨーロッパのウクライナにSummit Agro Ukraineを設立し現在約20名のスタッフが営業に励んでいます。

ウクライナのことを聞いた時、私の頭に浮かんだのは、旧ソ連邦の国、チェルノブイリ原発事故があった国、ビートルズの「Back In the USSR」の歌詞に出てくる国というぐらいでした。ところがこの国は知れば知るほど奥が深く、特に農業関連ビジネスでは世界でも有数の重要国です。

ウクライナに広がる黒土地帯

ウクライナは、黒海に沿った肥沃な黒土地帯で古くからヨーロッパの穀倉と言われた重要な地域で、小麦輸出量は世界第5位、家畜用穀物輸出量は米国に次いで第2位、ヒマワリ油の輸出は第2位であるアルゼンチンの2倍以上でトップです。Summit Agro Ukraineはこれら重要作物に使用される農薬他農資材を数多く扱っており、ウクライナでの主要な穀物の生産増に大きく貢献しています。それだけでは商売繁盛のように聞こえるのですが、私たちが販売する商品の模造品などが市場に多く出回り、ウクライナ当局の方にご相談しながら対応するなど独特の難しさもある国です。

皆さんはウクライナの「オレンジ革命」をご存知でしょうか。これは2004年の大統領選挙結果に対する抗議と政治運動ですが、ウクライナの課題を浮き彫りにした事件でした。ウクライナの東南部はウクライナ語よりロシア語を話す人が多いなどロシアとの関わりが深く、他方西部はEUと国境を接し、脱ロシア、ヨーロッパへの回帰という構図がありました。当時の与党はロシア寄りであり、野党がEU・米国寄りで、大統領選で一旦当選発表した与党に不正行為があったという事実が発覚しました。それに対する抗議運動が起こり、最後は再選挙のうえ野党側の候補者が大統領になる、という顛末でした。ちなみに野党側の支持者がオレンジをシンボルカラーにしていたことが名前の由来になっています。この様な複雑な政治状況は日々のビジネスにも大きく影響しており、政府の方向性を十分意識しながら商売をするセンスが求められます。

聖ヴォロディームィル大聖堂

聖ソフィア大聖堂内の美しい建造物

1990年に世界遺産に登録された聖ソフィア大聖堂や、国重要文化財となっている聖ヴォロディームィル大聖堂など、色使いが大変美しい大聖堂がキエフには多くあります。なかでも、聖ヴォロディームィル大聖堂は黄色と白のコントラストが非常に綺麗な建造物です。

私たちは上述の通り10年以上ウクライナで事業を展開していますが、現状に留まらず、更なる新規ビジネスを推進するため、様々なプロジェクトを検討しています。ウクライナは現在外国企業に国有地の私有を開放する方向にあり、もしこの大肥沃地帯を使った農業生産プロジェクトなどができれば、当社のビジョンである「食への貢献」に繋がります。このように夢を追いかけて引き続き仕事に邁進したいと思っています。