先輩社員の仕事紹介

先輩社員「営業 K.T」画像

惰性を嫌い、成長を望むには絶好の場(営業 K.Tさん)

農業、これはどの国においても人々の生活を支える、基盤として無くてはならない分野の一つでしょう。無農薬という声もありますが、現段階では一般消費者への安定した農作物の供給を達成するためにも、農薬を含む農業資材は必要不可欠です。当社は日本メーカーの農薬を主に扱っており、各国への開発・普及を行っています。
農薬は行政機関による厳正な評価・審査を経て登録された後に販売されます。加えて健康・環境関連分野との結びつきもあるため、行政との関わりが多分にある商品です。一例ですが、ある国が重点分野として指定した作物に対しての農薬販売やそれに関わる業務に関して、政府から手厚い補助金が支給されることもあり、時機を捉えた対応も必要になります。

私はトルコ・エジプト・ケニアを含む東アフリカ地域を担当していますが、中でもトルコは中東地域ではハブとなる重要市場で、現地では日本同様水稲栽培が行われています。
欧米資本のマルチナショナル企業に比べ、日本メーカーは水稲向け農薬の開発に力を入れており、高い技術を持っているので、トルコの水稲にもぜひ日本の農薬を使ってほしい!という情熱をもち、当社は新規販売先開発に乗り出しました。
トルコは地理的に農作物を欧州に輸出することが多いため、欧州で認可されている農薬しか使用できません。一方、欧州の農薬規制は基準がとても厳しい為、新規農薬の販売が難しいのが同国の特徴です。上記の理由から、新規販売先の開発は苦難の道のりでしたが、ようやく開発終盤まで差し掛かったところで、登録上の大きな問題に直面しました。
どうしたらいいだろう・・・入社間も無かった当時の私はかなり狼狽(今も変わらずですが)したことを昨日のことのように思い出します。

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それから、メーカー担当者と協力し、あり得る限りの対策を講じたうえで現地まで出向き、トルコ農業省のヘッドと直談判もしました。我々の努力と現地子会社のSumi Agro Turkey(SAT)の強力な支援、また、ちょうどトルコでかなり長い間使用されてきた水稲用除草剤の効き目がなくなり、新規剤に頼らざるを得なくなったという市場環境も重なって、最終的には日本製新規剤の登録が完了し、トルコに販売できるという最高の結果を得られたのです。その商品が今ではSATの主力商品の一つといえるまでに成長し、今後の展開が期待されるまでになっています。
対象との向き合い方次第で、ものの見え方が変わると言いますが、私にとって今後、トルコで食べるコメの味は格別なものになるに違いありません。コロナ下で現地に行けないのですが、次に出張できる時が楽しみです。(余談ですが、アルコール度数45度のトルコ地酒RAKI(ラク)は残念ながらいつまで経っても慣れません・・・)

私は、営業の他に商品開発部も兼務しているのですが、商品に付加価値をつけ、他との優位性を確立するためには何が求められるかをプロジェクトチームの先輩方とも議論しながら新規剤の商品化への歩みを進めています。
変わりゆく市場環境を踏まえた商品開発、営業としての商品導入、更には住友商事グループが保有する経営資源を有効に使い戦略を策定し実行する、やること・やれることは豊富に存在するのが当社です。惰性を嫌い、成長を望む方には絶好の場となると思います。