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Cross Talk

今とこれからの農業を考える

食料の供給を支えながら、地域経済の一翼を担っている「農業」は、環境問題や農家の高齢化、人手不足など、さまざまな課題が絡まり合い、そのあり方が大きく変化しはじめています。世界各国のクライアントと向き合っている当社の営業担当者は、そのような農業の今と未来をどのように捉えているのでしょうか。入社歴約10年の中堅メンバー4名に語ってもらいました。

座談会座談会

Member

  • アグリサイエンス第一部 A.S.

    A.S.2016年新卒入社

    アグリサイエンス第一部
    アジア・韓国チーム

  • アグリサイエンス第一部 T.K.

    T.K.2012年新卒入社

    アグリサイエンス第一部
    アジア・韓国チーム

  • アグリサイエンス第一部 Y.K.

    Y.K.2017年新卒入社

    アグリサイエンス第一部
    日本・東アジアチーム

  • アグリサイエンス第三部 K.S.

    K.S.2013年新卒入社

    アグリサイエンス第三部
    EMEAチーム

Topic 1今、どのような仕事に取り組んでいるのか

住商アグロインターナショナルに入社して10年近く。まずは現在の業務内容と、仕事を通じて感じるやりがいについて聞きました。

アグリサイエンス第一部 T.K.T.K.
現在、私は農薬や農作物の種子、高機能肥料、農業資機材などを扱うアグリサイエンス第一部で、アジア・韓国チームのリーダーを務めています。韓国からインドまで、アジア圏の複数の国を担当し、国内外のメーカーの農業製品を海外に輸出しているほか、アジアで展開する当社の海外事業会社の運営にも携わっていて、さまざまな施策の企画から実行までを担っています。働きやすい職場づくりなどにも取り組んでいて、現地のメンバーから感謝される機会も多く、やりがいの一つとなっています。
アグリサイエンス第三部 K.S.K.S.
私は、日本の農薬製品をロシアやウクライナに向けて輸出する業務を主に担当しています。ヨーロッパは環境・登録規制が非常に厳しい地域ですから、規制の内容や変更に柔軟に対応することも仕事の一つです。また、さまざまな可能性を探りながら、新しいビジネスの開拓にも取り組んでいます。我々は商社として現地企業と日本のメーカーの間に立っているのですが、なかなか“Win-Win”の条件が見出せない難しい局面もよくあります。そんな時にも、どこまで歩み寄れるのかを慎重に見極めながら、根気強くコミュニケーションをとり続けることが成約の鍵となります。地道な努力が実を結んで取引を成立させることができた時は、ホッとすると同時に大きな喜びを感じます。
アグリサイエンス第一部 A.S.A.S.
私はアジア・韓国チームに所属しており、東南アジア向け輸出業務を担当しています。また、アジア戦略事業部の業務も担当し、ベトナムの事業会社の企業価値向上に向けて取り組んでいます。私の担当エリアはマーケットの規模が小さい国も多いのですが、そのなかで当社だけではなく、関係者全員がメリットを享受できるビジネススキームをつくる、そんな仕事に醍醐味を感じています。
アグリサイエンス第一部 Y.K.Y.K.
私は、農薬製造に必要な原料を中国やインドから輸入し、国内の農薬メーカーに卸す仕事をしています。加えて、自社の「クロリダゾン」という農薬の製造から販売、管理まで担当しています。メーカーの研究職の方々から技術的な知見を高いレベルで求められる機会が多々あるので、お客様からの問い合わせにもしっかりと対応できるように毎朝の通勤時間に専門メディアなどをチェックすることを習慣づけています。そうやって地道に蓄えた知識が役に立って、お取引先との信頼関係が深められた時には、やはり仕事への手ごたえを感じます。
座談会

Topic 2仕事を通じて見えてきた「社会/世界」とは

農薬製品の輸出入など世界各国と関わる仕事を通じて見えてきた「社会や世界の姿」について、4人の考えを聞きました。

アグリサイエンス第一部 T.K.T.K.
東南アジアは著しい経済成長を遂げている国がある一方、未だ貧困にあえぐ国も存在しているということをリアルに感じます。例えば、その国の経済力によって農業で使用される農薬が大きく異なるんです。日本や韓国では環境負荷の低い製品を使っていますが、貧困を抱える国では安価なものしか出回らず、一昔前の環境負荷の高い製品を最新の製品だと思って使用している農家も少なくありません。
アグリサイエンス第三部 K.S.K.S.
同じように担当エリアの情勢から経済格差の問題を実感することが多いですね。例えば、ヨーロッパ各国は現在、深刻な状況が続くウクライナを支援するためにウクライナ産の農作物を輸入していますが、ウクライナは物価が安く、物価が高いヨーロッパの国々では自国の農家がつくった野菜や果物がウクライナ産の価格競争に太刀打ちできなくなっています。日本で暮らしているとなかなか実感が湧きませんが、それも解決をめざさなければならない問題の一つだと思います。
アグリサイエンス第一部 T.K.T.K.
経済格差の解消はなかなか一筋縄でいくものではありませんから、非常に難しい問題ですよね。私たちに何ができるだろうと考えると、やはり担当地域の農業の発展を支えることしかないのかなと思うんです。貧しい国が経済的に成長していけば世界の経済格差の解決にもつながっていくはずです。
アグリサイエンス第一部 A.S.A.S.
農業の発展という意味で言えば、「省力化」もキーワードの一つですよね。例えば、アジアのとある地域では若者が街に出稼ぎに行っている間、高齢者が農薬をあまり使わずに手作業で多くの時間を使いながら農作物を育てているケースも多くあります。そうした地域で農薬が使用しやすくなれば、省力化が進み生産効率が上がり、経済成長にもつながると思うんです。当社としても、アジア圏に根付く「日本製品は高品質」というイメージを訴求ポイントに、日本の農薬をアジア地域にさらに広げていくことで、生産性の向上と経済発展に貢献できればと考えています。
アグリサイエンス第一部 Y.K.Y.K.
「省力化」は、日本の農業においても欠かせないポイントです。日本では今、農業従事者の高齢化が急速に進んでいます。農林水産省のデータによれば、2020年には平均年齢が67.8歳に達したそうです。さらに、次世代の担い手がいない農家も多く、7割が後継者不在というデータもあります。この状況が続けば、今後10年以内には多くの農家が廃業し、国内の農業生産量が大きく減ってしまうことになります。食料自給率を維持するためにも、少ない担い手で生産力を確保できるよう、ドローンを使った農薬散布や作業の機械化、除草剤の使用など、省力化につながる取り組みを考えていかなければなりません。
座談会

Topic 35年後、10年後の農業を
どのように見据えているか

ここからは、農業の未来について語り合いました。4人は、日本や世界の農業が、これからどのように変化すると考えているのでしょうか。

アグリサイエンス第一部 T.K.T.K.
先ほどA.S.さんがおっしゃっていたアジア地域の農業の省力化の話ですが、東南アジアやインドなどでは今後5年間で農業の省力化が大きく進展するような気がしています。現時点でもドローンなどを使った新しい手法が急速に広がりつつあるのですが、ひょっとすると開発途上国の方が日本よりも最新の技術に順応できる特性があるのかもしれませんね。
アグリサイエンス第一部 A.S.A.S.
そのためには先行投資が必要になりますが、アジア地域の農家は一種目あたりの栽培面積が小さいがゆえに収益も小さいですから、技術や機器を導入するための資金繰りをどうするかは大きな課題ですね。将来的には、課題解決の仕組みづくりも他社と連携しながら検討していきたいですね。
アグリサイエンス第一部 Y.K.Y.K.
一方で、日本は10年後には大半の農家が引退して新しい農業のカタチ――例えば、さまざまな農家を集約して大きな土地で農業をやることが当たり前の時代がくる可能性もあります。まだ、そうした気配はないですが、引き続き、国内の農業も注視しながら製品の卸し方や売り方も考えていかなければならないと思います。
アグリサイエンス第三部 K.S.K.S.
10年後、20年後に目を向けると、やはり「環境」のことも重視する必要があると考えます。今後は、世界的に化学農薬を使う農家が減って、環境にやさしい製品のシェアが増えていくでしょうね。日本でも欧米の取り組みに影響を受け、農林水産省が「みどりの食糧システム戦略」を掲げ、食糧生産から消費までの一連の流れのなかで環境負荷を下げる取り組みを進めています。当社も環境にやさしい製品の取り扱いが増えていますから、そうした製品はさらに増えていくと思います。
座談会

Topic 4住友アグロインターナショナルの
未来は、どうあるべきか

最後に、農業の未来をふまえて、住商アグロインターナショナルの未来はどうあるべきかを考えてもらいました。

アグリサイエンス第一部 A.S.A.S.
これまで当社は取引する地域や商材を広げながら拡大してきました。そのDNAを受け継いで、今後も事業の幅を広げていくことが大切だと思います。昨今さまざまな分野で技術革新が起きていますが、農業も例外ではありません。最新の技術を踏まえながら、省力化や環境問題にも対応していくことが会社の未来をつくることになるのではないでしょうか。
アグリサイエンス第三部 K.S.K.S.
同感です。当社が今後拡大を続けるためにも、扱う商材の幅を広げるのはもちろんのこと、一つひとつの事業を大きくし、第二、第三の収益の柱をつくっていく必要があると感じています。非常に難しい話ですが、「できる、できない」ではなく、やらなくてはならない挑戦です。固定観念を壊し、柔軟に考えを改めながら、挑戦し続けないといけません。
アグリサイエンス第一部 A.S.A.S.
そうした挑戦を通じて、当社のことを「パートナーとして組みたい企業」と思ってくださる方が増えたら嬉しいですよね。最近、新しくスタートしたプロジェクトに参加することになったため、私も必要な知識を蓄えながら、会社に新たな収益の柱をつくれるように力を尽くしたいと思っています。
アグリサイエンス第三部 K.S.K.S.
私も今、ヨーロッパと日本の間に立って何ができるのかを模索しているところです。ヨーロッパは日本よりも環境・登録規制が厳しいことから、既存ビジネスモデルにとらわれない、新しいモデル構築に挑戦しています。
アグリサイエンス第一部 Y.K.Y.K.
商材や事業モデルを増やすと同時に、私たち「住商アグロインターナショナル」のことも、広く世界の方々に知っていただきたいですね。世界中のメーカーから「この会社と組むとおもしろいことがありそうだ」と想起される存在になれたら、さらにおもしろい仕事が待っているように思います。
アグリサイエンス第一部 T.K.T.K.
認知度をさらに高めていくには、当社が現在保有しているアセットを活用することも大切です。例えば、住友商事グループの一員であることや海外にもグループ会社があることは、認知を獲得していく上でメリットになると思います。とくに国内のメーカーは、当社への期待が大きいと感じます。そうした声に応えるためにも、私たちならではの“新しい挑戦を応援する風土”を活かして、商社らしく新しいビジネスを生み出して、日本や世界のお客様に価値を発揮していくことができればいいですね。そんなダイナミックな仕事に携われるおもしろさが、当社にはあるように思います。
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