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インド皆さんはカレーはお好きでしょうか?

インドの人口は13億人超と日本の12倍近くあり、世界第2位です。その国土は、南北3,200km、東西3,000kmもあるひし形をしており、その面積は、日本の約9倍程度と世界第7位ととても大きな国です。大都市であるムンバイ、デリー、コルカタは、東京より人口が大きく、私の駐在するムンバイでは、高層タワーマンション、ショッピングモールも建ち、近代化が進んでいるかと思えば、未だ街中にはジャリのままの未整備な道が入り組み、小さな商店が軒を連ねているところも多く見られます。モンスーン(5-9月の雨季)には、雨が止むことはなく、道路はで洪水となり、自動車、リキシャ(三輪車バイクタクシーですが、第二次世界大戦前に日本から輸入されたのが始まりで、「人力車」のリキシャからその名が付けられたようです)は大渋滞につかまり、私も片道1時間の通勤に4時間以上かかったこともあります。勿論、私が初めてインドへ出張できた23年前からは、かなり経済成長し、インフラも整備され、IT化も進んでいますが、必ずしも全てがそうなった訳ではなく、日本の昭和(高度経済成長期)と令和が融合し、その中で、多民族からなる色々な人達がいる面白い国ですね。そのインドの人たちに必要不可欠なのが、カレーです。それも毎日、食べるそうです。 日本の小学校の給食でもカレーは一番人気の献立だったのではないでしょうか。 私も好きな方でしたが、駐在スタート時には、週に3-4回位は、社内食堂で2種類のカレー(何と社員食堂は、INR250/月(3.5ドル前後)でご飯、ナンは取り放題)を昼食にとっていましたが、矢張り、本場のカレーをそんなに食べ続けられるものではありませんね。午後から胃もたれ、胸焼けを起こすことも度々、その内、週1回に減らしました。しかし、カレーのない日が続くと、逆にまた食べたくなる、病みつきになる食べ物です。そんなインドのカレーですが、エリアにより使用する香辛料の種類(カレー味の素:ブラックペッパー、クミン、コリアンダ、カルダモン、シナモノ、ローリエ、クローブ等)により、味付けは微妙に違いますが、チキンカレー、マトン(山羊)カレー、シーフード(魚、エビ、イカ、貝等)カレーや野菜カレー(といっても、日本のカレーの定番野菜[玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジン]を一緒に具材として入れるのではなく、各々の野菜:カリフラワー、なす、オクラ、インゲン、ほうれん草等の単品料理)、また、豆類(緑豆、レンズ豆等)ベースにしたダールカレー、乳製品チーズを入れたパニールカレー、また、朝食にはサンバール(日本の味噌汁のような豆カレースープ)が好まれ、本当に様々なカレーが出されます。要は、カレーとは色んな食材を香辛料で味付けした単品調理で、醤油や出汁(かつお/昆布)で味付けされた日本料理、例えば、“ブリ大根”、“肉じゃ”がという風に、インドでもそれぞれのカレー料理に難しい名前が付けられています(難しくて覚えられませんが、大好きなチキンカレーは、“Murgh Makhani”)。因みにカレーの語源と言われている“Kari”はタミル語で「汁物、たれ」の意味のようです。

  • チキンカレー
  • カニカレー

私の駐在しているMahindra Summit Agriscience LTD(以下、MSAL社)は、2019年4月より、インドの中堅コングロマリットであるMahindraグループ傘下のMahinsra-Agrisolution社とのJ/V(住友商事グループが40%出資)としてスタートした農薬販売会社です。Mahindraグループは農業をコアビジネスとしており、その中でもトラクターをはじめとする農機ビジネスでの国内シェアは40%以上と高く、インドの田舎を営業で廻ってみると、”Mahindra”ブランドは多くの農家から信頼を得、その認知度には驚かされます。インドの人口の6割近くが農業地帯に住み、何等かの農業に従事していますが、農業はGDPの15%程度に過ぎません。
例えば、カレーと一緒に食べる主食ですが、小麦の産地であるインド北部では、ロティ―(全粒粉パン)、チャパティ(薄い小麦パン)等、焼き方も素焼き、バター焼き、素揚げと色々ありますし、有名なバスマティライスの産地でもあります。インド南部は、米の産地で、お米が主食ですが、イドォリ(お米とウラド豆の蒸しパン)やドーサ(ウラド豆のクレープ)もあり、その地方のカレーに合わせ食されています。それらお米、小麦、豆類にしても栽培面積は、世界1、2位の規模を誇るインドですが、世界的に見ても、まだまだ、単位面積辺りの収穫量は低く、その改善には農業技術の向上が重要課題です。

  • インド北部パンジャブ州(小麦生育期)
  • インド南部アンデラプラディシュ(AP)州(田植え準備)

MSAL社では、住友商事グループから日本の高度な農薬・農業資材製品を導入し、インドの農家の皆さんにも紹介し始めました。 MSAL社の営業現場では、農家を集めた商品説明会を定期的に行っています。これら地道な活動とこれまで農業エリアで培われてきた、MahindraブランドのSynergyにより、良い製品を普及し、インドの農家の皆さんに貢献できればと日々、活動中です。

  • Mahindra、当社グループ関係者@Mahindra&Mahindra社ムンバイ本社にて
  • 農家への商品説明会