グローバルレポートGLOBAL REPORT

「メキシコ ~太陽の国メキシコ~」メインイメージ

メキシコ太陽の国メキシコ

皆さんメキシコってどんなイメージですかー?
登れるピラミッド、タコスで舌鼓、治安悪そう~、それとも最近までトランプさんにいじめられた国でしょうか?千の顔を持つ国とも呼ばれますが、知れば知るほど奥深さがあるのがメキシコです。私は今メキシコシティに在住していますが、月別の気温グラフを見ると14~19℃の範囲に収まっているので比較的過ごしやすい気候条件と言えます。でも一日の寒暖差が20℃近く開くことがあり、朝はブルゾン、昼は半袖などという経験もしました。日本と比べて人口はほぼ同じですが国土面積は約5倍、この中に世界遺産が35ヵ所もあり、さすがマヤ文明とアステカ文明発祥の地ならではという感じがします。

1年の中で最もメキシコらしさを感じる行事の一つに、毎年11月2日に巡ってくる「死者の日」があります。2003年には「死者に捧げる先住民の祭礼行事」として、ユネスコの無形文化遺産にも登録されており、あえて言えば日本のお盆と同じような趣旨とも言えます。これを明るくユーモラスに祝うのがメキシコ流で、これをモチーフにしたディズニー映画「リメンバー・ミー」がヒットしたこともあり、世界的にも注目されています。お墓はカラフルな飾りつけと無数のろうそくで非常に明るく幻想的な雰囲気となり、それぞれのお墓にたくさんの親戚・家族が集まり、サルサなどのラテン音楽を流して踊ったりして、夜通し明るく過ごします。日本人にとっては少々驚きですが、明るく先祖を迎えるというラテンらしさを感じることもできます。私も最初はちょっと戸惑ったけど、今ではガイコツのイラストがとっても微笑ましく見えます。

  • 死者の日のお祭り
  • 骸骨形のデザート

話は変わりますが、メキシコ人はとってもアルコールとジョークが大好きな国民に思えます。少々不謹慎なのですが、コロナウィルスなんてコロナビールで撃退しちゃえ!なんてというノー天気なパロディが一時期流行りました。でも本当に目がないのはテキーラですね。私もメキシコシティに赴任前にはあちこちの飲み会に誘われ、壮行会という名目で一気飲みをさせられたりとか、日本人にとっては罰ゲームのネタとしか扱われていないお酒でもあり、最初は極力控えていました(高度2,200メートルの高地にいることも理由です)。でもさすがテキーラの大産地に来ると、あの芳醇な香りと甘みに魅せられたというか、今では晩酌のお供として欠かせません。日本で写真撮影のときにハイ・チーズと言いますが、これがメキシコに来ると「ウノ(1)・ドス(2)・トレス(3)・テキーラ!」となります。ピラミッド観光に行ったときにあちこちからこの声が聞こえてきました。

  • テキーラの瓶

さて私は今、住友商事のメキシコ法人で勤務していますが、担当業務はライフサイエンス事業全般です。この言葉ではイメージが湧きにくいのですが、日本語では生命科学と訳されているようで、当社グループでは「医・食・住」に専門特化している組織となります。仕事の中身はというと、長年続いている家庭用殺虫剤の在庫運営や顧客との良好な関係の維持、ペット用品や化粧品原料の販路開拓、農業資材販売会社の経営支援など、多岐にわたります。その中でも特に大事なのは、メキシコでも問題になっているデング熱などの伝染病から人々の命や健康を守るための殺虫剤ビジネスで、日本製で安全性の高い殺虫成分や製品の現場での普及を目指しています。いずれのビジネスも一筋縄ではいかない難しさを抱えていますが、一人で考え込んでも仕方がありませんので、人との相談を大切にし、「理解を深める」「新しい視点を得る」ことを通じて奮闘している毎日です。

  • ドッジボール大会